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『ユリ熊嵐』の個人的解釈 part.5

*ネタバレがあるのでご注意ください。
幾原邦彦監督のアニメ『ユリ熊嵐』の個人的解釈を書いてみました。これで個人的解釈を書くのは通算5回目になりますかね。

『ユリ熊嵐』とは:ユリとクマが出会って嵐が巻き起こるアニメ。くまかわ

公式HP ⇒ TVアニメ「ユリ熊嵐」公式サイト





『羆嵐』と『ユリ熊嵐』の関連性


以前に『ユリ熊嵐』と『シャトゥーン ヒグマの森』を比較しましたが、それならば『羆嵐』とも比較したい!ということで比較してみました。

『羆嵐(くまあらし)』とは:北海道で起きたヒグマによる獣害事件「三毛別(さんけべつ)羆事件」をモデルにした小説。作者は吉村昭。
「三毛別羆事件」とはヒグマがヒト七名を殺害、三名に重傷を負わせた有名な獣害事件。
題名の「羆嵐」とは、クマを仕留めた時に吹き荒れる強い風のこと。

(*作品のラストに関するネタバレがあります)

あらすじ:
舞台は開拓時代の北海道苫前郡苫前町三毛別六線沢。
そこに東北などから移住してきた人々が沢を開拓して住み始める。
季節は冬。村民の長松要吉が家に帰ると、そこにいるはずの阿部マユがおらず、預けられていた少年・幹雄が絶命していた。
まもなくそれがヒグマの仕業であると判明し、いなくなった阿部マユの捜索隊が結成される。
次の日捜索隊は森へ行きヒグマと遭遇する。
ヒグマは逃げ去るが、その周辺に埋められていた阿部マユの遺体の一部が発見される。
その夜、村で通夜が営まれる。
そこに突如ヒグマが乱入して棺桶を壊そうとするが、被害者が出ることなくヒグマは立ち去る。
しかしヒグマは離れた場所にある明景家に押し入る。
駆け付けた討伐隊が明景家に近づくと、中からはヒグマがヒトの肉を咀嚼し、骨をかみ砕く音が聞こえてきた。
討伐隊が家の中に踏み込む前にヒグマは姿を消す。
村民は隣の村に避難。近隣の村の有志達が集まり大規模な討伐隊が結成される。
区長は、熊撃ちの名人・山岡銀四郎を呼び寄せる。
銀四郎と区長は村に調査しに赴く。そこで銀四郎は女が使っていた枕や、湯たんぽに使っていた石にヒグマが異様な執着を示していたことに気付く。
銀四郎によると、ヒグマが最初に食べたのが女の肉だったので、女の肉の味に馴染んで好んで食べるようになり、男は殺してもその肉には見向きもしないとのこと。
夜に氷橋で見張りをしていた討伐隊の一人が風景に異変を感じる。「人か、熊か!」と聞いて返事がなかったため銃弾が撃ち込まれる。
翌朝そこにヒグマの足跡と血痕が発見される。
手負いのヒグマを追って討伐隊は山へ入っていく。
区長と銀四郎は討伐隊と別行動を取り、別の道から山へ入っていく。
そこで区長と銀四郎は風下から気気付かれずにヒグマを発見する。銀四郎の銃の一発目が心臓近くを打ち抜き、二発目が正確に頭部を打ち抜いてヒグマを倒すことに成功する。
死んだヒグマを運ぶ際中、天候が悪くなり猛吹雪となる。
地元の老婆の話では、クマを仕留めた時に吹き荒れる風を「羆嵐」といい、必ず天候が荒れるのだそうだ。


・共通点
クマが女ばかりを襲って食べようとする。
ヒトによるクマ討伐隊が結成され、クマを倒そうとする。
マタギの銃がクマの心臓を撃ち抜く。
タイトルが『ユリ熊嵐』と『羆嵐』で似ている。
。ヒグマががヒトを食べる際、骨をかみ砕く音がする。『ユリ熊嵐』でのクマがヒトを食べる時の「ガリガリ、ゴリゴリ」という擬音は骨をかみ砕く音であると思われる。

・結論
ヒトとクマの関係性が大いに似ている。題名が似ている、およびクマが女を好んで食べる点から、『ユリ熊嵐』が『羆嵐』を参考にした可能性は高い。


『ユリ熊嵐』はクマ関係の作品を色々と参考にしている可能性がありそうです。
他のクマ関連の作品も探してみたら、何か見つかるかもしれませんね



女神クマリアとクマの関係


女神クマリアとは:クマ達が崇める女神。
「クマリア様は愛である。生きとし生けるもの全てを承認し、『スキ』を与える世界の母である」(Episode 7より)

クマリアが姿を取り戻す際、各地にいたクマ達が星になって集まります。それが一つになるとクマリアになって顕現します。
かつて地上に降り注いだ流星群、あれが一つに戻るとクマリアになります。
星の欠片を宿したクマは、クマリアを一部に宿したクマだったということになります。



「本物のスキ」とは?


最終話、紅羽は断絶のコートで裁判官から「それで、透明な嵐の中でアナタの望むものは見つかりましたか?」と聞かれます。
「はい。ある女の子が私に教えてくれました。私は、私の望むもの、『本物のスキ』を見つけました」と言います。

「本物のスキ」とは一体何のことでしょうか?

「ある女の子」とは純花のことです。
Episode 6で純花は紅羽に手紙を書きます。手紙にはこう書かれていました。「今目の前にいる子が新しい友達です」
そして目の前には命がけで炎に飛び込み手紙を守ってくれた銀子がいました。

子供の頃に紅羽は銀子とずっと一緒にいるために、銀子をヒトの女の子にすることを願います。その結果紅羽は「約束のキス」を自分から望んだことも、銀子のことも忘れ、「スキ」を手離します。

紅羽は自分で自分の身を砕き、クマリアにクマにしてくれるように願います。そして紅羽はクマリアから「ユリ承認」されてクマに姿を変えるのでした。

またEpisode 11で銀子は欲望を捨て、「本物のスキは私を嵐に飛び込ませる」というセリフを言います。

「本物のスキ」とは利己的な心のない愛、我が身を捧げるほどの愛ということなのだと思います。
キリスト教でいうと「アガペー」(無償の愛)、仏教でいうと「慈悲」(思いやり)ですね。



「スキ」が世界を変えていく


最終話で、クマリアに導かれて紅羽と銀子が行った先は広い空の上でした。
周りには星々がたくさん光っています。
そこに大きな月の惑星と森の惑星が浮かんでいます。
この惑星は月の娘である紅羽と、森の娘の銀子そのものですね。
広い世界で紅羽と銀子は誰に排除されることもなく、排除することもなくずっと一緒です。
この場面は「世界」そのものです。
紅羽と銀子は世界を構成する一員であり、排除することも、されることもなく世界に存在します。
一人ひとりがそれぞれの姿でこの世界を形作っています。

最後のクマリアのセリフです。
「娘たちの行く先は誰も知りません。でもそれでいいのです。世界はあなたの『スキ』で目覚め、変わっていくものなのですから」

私達は「スキ」によって世界を形作り、世界を変えていくことができます。その行き着く先は誰にも知ることができないのです。
しかし「スキ」さえあれば、世界はより良く変わっていけるのだと、そう思います。


最後に


『ユリ熊嵐』ほど自由に想像できる完成度の高い作品に出会えたことを嬉しく思います。いやぁ、『ユリ熊嵐』って本当にすごいですね!
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